『協定』
つぶらな心と心がくっついて
ふみだすと
添えられるあまた格子光線
しからば
静岡
すずなり横丁
卵の保護剤は
厚く何十にも
裏があり
全て目玉の監視付
口ばしから運ばれる
手土産
初烙印
人の地震は
そう起きぬ
協定のハンコ
家屋心奥に
家紋人印帳
家屋の奥に
しまわれた初心
膨らまりませんように
調味料は多種いきいきと控えてるので
<<あとがき>>
『え〜皆さま、神殿からのご移動、お疲れ様でございました。
先程、無事に挙式がとりおこなわれました。これより披露宴を始めさせていただきます前に、
今回披露宴の進行を勤めさせていただきます、わたくし、新婦の姉の田端玲実でございます。
どうぞ宜しくお願いします。』
先週の土曜日、妹の結婚式がありまして、私は披露宴の司会を務めました。
新婦の姉が披露宴の司会をしていいのか!?とおもわれますが、前例はあるようで、
別に悪いことではないようです。
でも妹に頼まれたときは、
新婦側がしゃしゃりでるようで新郎側の親戚に印象がわるくならないか心配しましたし、
何より司会中泣いてしまってたらどうしよう、とむしろこっちを心配して、ためらいました。
司会がが泣いてしまったら、それでまわりを逆にさめさせたら・・・・
しかし、日頃から精神と経済的にすっかりお世話になっている妹のためです。引き受けました。
自己紹介の後の反応はやはり予想通り、
万歳して拍手する父を筆頭に、「よっ!よよっ!」と盛り上がる我が親戚サイドとは逆に、
冷静な相手の親戚サイド。
挙式の前、親族控え室に入って初対面の新郎のご親戚の方々に挨拶して間もなく
私の着ている着物の襟元を、中の襦袢の見え具合が良くないらしく、「これはちょっと・・・」と直してくれました。
そのあとも気がつけば私の襟元を直していただいて「また、直してあげるから」と。その後数回お世話になりました。
気がつけば、その襟元を直して頂いた方々のクールな目が光っています。
一瞬襟元が気になります。
いや、この披露宴の始まりにクールな眼差しを送っているのかも知れません。
『本来ならここにプロの司会の方が立って披露宴を滞りなく進めていただくのでしょう。
え〜少し前に、“仕分け”という言葉がはやりました。この中にも“仕分け”の痛手を受けた方が
いらっしゃるかも知れません。
この会場様には大変申し訳ありませんが、今回新郎新婦、‘司会’というオプションを
“仕分け” させて頂きました。
不慣れといいますか、度素人ではございますが、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。』
地方の公民館の出し物の司会みたいなこんな無理やりな時事ネタを混ぜて盛り上げようとしましたが、
案の定、我が親戚サイドの「おっおー」とかいうおおげさな感嘆の声にまぎれて、
全く相手の親戚サイドの反応は聞えず・・・
遠慮されてるのか。更にクールにしてしまったのか。わかりません。
でも、主役は新郎新婦。めでたい祝宴の席。皆やさしく会の進行にお付き合いいただきました。
しかし、親戚の結婚式と言うのは疲れるものです。
まあ、私だけかも知れませんが。
壇上に呼ばれてるのに、壇上まであと一歩のところで近くに座っていた祝辞を述べてくれたおじちゃんに深深お礼しはじめて、おじちゃんに「いいから、いいから、」と壇上に行くようにいわれてる父と、
台湾からわざわざ来てくれた同級生と話し込んでしまって全く親戚まわりをしない母、
マイペースな二人の分まで代わり親戚まわりを勤めました。
そんな中、「お芝居頑張ってね、私たちも機会があったらね〜」とどこからきいたのか、話の間口を広げてくださった方がいまして、
「ありがとうございます。浜松で公演できたら〜」と続けますと、
「浜松なんて、行けないわ、近くに市民会館があるから、そこならね〜」と。
どこだ〜?その市民会館。というか東京に着てまで見る気は最初からないのね。
まあ色々ありましたが無事に進行していきまして、いよいよ最大の難所、
『親への手紙』コーナーです。
一番泣いてしまいそうなところ。泣いたらはずかしい。
ここをクリアしないと、無事に司会は終えられません。
妹の手紙の朗読中、何とか聞き入らないように、注意をもう一つ設けて、司会の台本の空いたスペースに文字を書いて何とか泣きそうになるのを抑えました。
妹の手紙朗読中の乱書き。
妹も泣かずに読んでくれたので無事泣きはまぬがれました。
そして、披露宴終了。
想像していたよりも大変な親族の結婚式。
友人の結婚式より疲れます。
結婚式とは家と家との協定会議みたいなものだとつくづく思いました。
なかなか面倒なものです。
ますます結婚式の憧れは全くなくなりました。
結論結婚とは、家と家との協定なり。
レミーマルタン・コニャックでした。おやすみタバタ☆☆☆