『連覇』
それは、競技会などで、続けざまに優勝すること。
あのサッカーワールドカップで、最多5回の優勝を誇る最強のカナリア軍団、ブラジルでさえ、1958年から1962年の、ただの一度しか成し得なかった『連覇』。
『連覇』で記憶に新しいのは、昨年のオリンピック競泳、北島康介の世界新での連覇。『何も言えねえ。』あの時の涙。
それだけ、『連覇』という二文字には、努力や運だけでは掴めない何かがあるのである。
どーもお疲れ様です亀岡です。
今日のWBC決勝戦、日本対韓国の一戦。そんな、努力や運では掴めない何か、そんなものを強く感じた、まさに侍同士の戦でした。
昨日、準決勝のアメリカ戦で怪我をした村田に代わって出場した川崎が、こんなコメントを残していました。『ベンチにいても、常に試合に出てました。』
思い返すと、東京ラウンドから今日の決勝戦までずっと、試合に出てたんだなあ、俺も。テレビの前できっと。
アメリカラウンドに舞台を移してからは試合の時間も不規則で、初戦のキューバ戦。朝の5時プレイボール。当日、夜中の2時。寝るか、そのまま起きて試合開始を待つのか。サンディエゴから遠く離れた椎名町で、侍達より一足早く、亀岡ジャパンの戦いは始まっていた。
そして結局後者を選択し、いざ初戦に挑む俺ジャパン。
東京ラウンドの試合は、全てテレ朝が独占放送。テレ朝には何にも不満はありませんでした。しかし、アメリカラウンドに移ってからは、放送権も、TBSに移る。大丈夫か。
不安は的中。
初戦のキューバ戦。侍達の活躍、勝利を楽しみに見ているのはもちろんなんですが、実はこの試合、キューバの先発ピッチャーのチャップマンとゆー選手。このピッチャー、球速が最速で164キロ出るとの事で、ひそかにそんな所も楽しみにしていた。しかしここで出たんですTBS。
おいおい球速表示が出ない。
テレ朝の時は、球速はもちろんの事、球種や、スーパースローカメラで、その握りまでもがはっきりと見れた。
そんなテレ朝と比べて、何なんだ。しばらくはずっと我慢していたがとうとう耐え切れず、生まれて始めて、テレビ局に抗議の電話する俺。かけてみると、やはり同じ気持ちの視聴者が多いのか、繋がらず、試合を見ながらもかけつづけていると、ほどなくして、申し訳程度の球速が表示されだす。
結局試合は、序盤はあたふたしたものの、最終的には危なげない展開になり、勝利をおさめたので、僕と球速の戦いも、とりあえずは終わりを迎えた。
そしてその後は、韓国、キューバ、韓国、アメリカ、韓国。なんか、ご飯、肉、ご飯、肉、的な、肉の間にご飯を挟む的な感じになってますが、そんな感じで、アメリカラウンドが続く。
ここからはもうバイトとの戦いでした。
基本的に朝の9時に終わる僕のバイト。アメリカラウンドの試合は大体、向こうの時間にして17時18時19時。日本時間にすると、9時とか10時になります。
準決勝のアメリカ戦。日本時間の9時から放送開始。
9時前、千葉でテレビの電波の障害が発生。電話のオペレーターのバイトの関係で、電話がクソ鳴り出す。9時10分には帰りたいと思ってたのに、結局10時頃に帰宅。案の定、一点先制されている。
俺が見てないと負けるんだよ。そんな事を言うヤツがよくいます。そんなヤツの一人である自分。
俺のせいだ。
そんな自分を責めていた俺を救ってくれるかの様な、四回の打者一巡の猛攻。
そして、アメリカを破って、とうとう本日。
『連覇』をかけた一戦。
バイト終わりで、今日は10時からとゆー事で、ゆっくりコンビニでポップコーン買って、9時半ぐらいから何となくテレビをつける。
10時から放送開始。
なんか色々、参加国の国旗が球場に並んだり、カップの返還とか、諸々あるみたいで、度々CMに入る。
CMに入る度に苛々する。試合中に食おうと思ってたポップコーンも、すでになくなる。でもその苛々が、逆にいい感じに作用して、テンションガンガンの状態で、さあ、いよいよ試合開始。
いきなりのイチロー、カウント1−3からのセンター前ヒット。
ええ、そこまでははっきり覚えてるんです。
次に気がついた時には試合はすでに終わっていました。
アメリカ戦の序盤の悪夢がよぎる。
また見てなかった俺のせいだ。やばい負けた。侍ジャパンの皆さんごめんなさい、俺、こんな大事な一戦で、寝ちゃいました。俺のせいで負けた。
しかし、そんな失意のどん底にいた僕を救ってくれたのが、TBSでした。
球速問題、決勝戦のCM挟みすぎ問題、様々な戦いを繰り広げてきたTBSが、僕に、日本が劇的な試合を制して、見事にWBCで優勝した事を、伝えてくれたんです。しかも、夜に、そんな試合を再放送してくれる。
夜、食い入るように試合を見ました。
イチローのセンター前から後の展開。
まるで高校野球の様なナイン達。
一流選手達が、チャンスで当たり前の様に送りバントをする。そこに、余計なプライドなんてない。
二三塁のチャンスに犠牲フライで一点しか取れなかった。この状況を、まるでホームランでも打ったかの様に喜ぶベンチ。そして何より、その犠牲フライを打った岩村本人の、まるで子供の様な笑顔。
韓国と戦うのも、五戦目ともなると、韓国ナインにも感情が入り込むもんで、マウンドを降りるポンジュングンに敬意を評し、四番のキムテギュンのフルスイングに恐怖を感じながら、最後、延長に入り、九回から登板している韓国抑えのエース、アジアを代表するストッパー、イムチャンヨン。
そして、延長戦入って、イチローのタイムリー。
なんかやっぱり色々考えさせられましたけど、結果振り返ると、イチローだったなあと思います、このWBC。
よくも悪くも、イチローに引っ張られてた今回の侍ジャパンだったと思います。
MVPは、これまた前回に引き続き、松坂大輔が受賞しました。もちろん、文句なしの受賞だったと思いますが、今回のチームを引っ張ってきたのは、やはりイチローだったんだなって、今日の試合前の侍ジャパンの円陣を見て、感じました。
努力でも運でもない。
その何かが何なのか、結局試合を見て、うまくは説明はできません。
ただ、その何かをこの試合で、ひいてはこのWBCを通して感じた事は確かです。
すいません、ちょっと長くなりすぎました。
長くなりすぎたし、何書いていいかもわかんなくなってきたので、この辺にします。
最後に、侍ジャパンに感謝です。
ありがとう。
このWBCで感じた何かを、カムカム見に来ていただいく皆さんにも感じてもらえるよう、来週から始まる稽古、やってこうっと。
そんな風に感じた、今日この頃の僕でした。それでは、また。