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帰ってきました
どもです!
さあいよいよ僕が客演しますプロデュース公演の本番が近づいて参りました〜!!

今日は小屋入りでっす。

さて今回の小屋が中野のザ・ポケットなんですが、この小屋は以前カムカムでもお世話になりました。

そうです!あの「燻し銀河」の初演が行われたのがここザ・ポケットなんです!
しかも来月、まさにその「燻し銀河」が再演されるし、これはもう奇跡的なタイミングじゃあありませんかね?

いやぁそう考えたらなんだか懐かしいなあ。

九年の時を経て、またこの舞台で芝居ができることに感謝感謝。

皆さん、是非観に来て下さいね〜!!

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今回の役の為に髪を切りました。
そして人生で初めて眉を整えました。

キレイ?
小島啓寿 | 18:56 - -
色えんぴつ第九話
「傷」


それは小高い丘の上にポツリと立っていた。
木漏れ日がキラキラと輝き揺れた。

僕は手にしたスケッチブックを強く握りしめた。


「運命」という見えない糸によって手繰り寄せられた僕は、ここに、父が愛したこの桜の木の元に立っていた。


「これはお前に渡しておく」

父はそう言ってスケッチブックを手渡した。

「しばらく預かっておいてくれ」

父は優しく微笑み、それ以上は何も話さなかった。

静かにさざめく水面のように、父の目には僕の心の底が映し出されていたに違いない。
さっきまで小さく見えていた父の背が、昔の大きく威厳に満ちたそれに戻っていた。

僕は父をまともに見る事ができず、情けなさと申し訳なさで潰されそうな気持ちを必死に支えていた。



僕が大学を辞めたのは二年前。

いや、正解には逃げ出したと言うべきだろう。

それまで僕はただ絵を描く事が好きで、回りの評価など気になどしてはいなかった。

だが現実は重くのしかかってきた。

否が応でも作品は評価され、次第に回りを気にするようになった。
そしていつしか、自分は他人よりも劣る劣等生だという意識が生まれ、それと共に体の一部にさえ感じていた絵筆は重さを増し、ついに手に取ることができなくなった。


僕を信じ送り出してくれた父を、僕は裏切ったのだ。

それ以来、故郷に帰ることもできずにただ目的もなくさまよい続けてきた。


病室を出た後、フラフラとこの場所に来たのはやはり何かの力が働いたのかもしれない。

父が描ききることができなかった、あの桜の木。

その前に僕は一人立ち尽くしていた。

春の風が心地良く頬を撫でた。

草の香りに何故だか懐かしさを感じた。
少しだけ、ほんの少しだけだが心の重さが和らいだ。

僕は手にしたスケッチブックを開き、どの位振りだろうか?ペンを走らせた。

だがやはりその手は次第に重さを増し、心を体を鈍らせた。

完全にペンを止めたその時、目の前を蝶々がヒラヒラと舞った。

何ともなく目で追ったその先に、彼女は立っていた。

僕はこの時どんな顔をしていたのだろう?

ただその時分かったのは、不思議そうに僕を見つめる彼女の瞳に、懐かしい温かさを感じたと言うことだけだった。

小島啓寿 | 23:11 - -
チョコを下さい!
唐突ですが僕はチョコが大好きですね。
ええそれはもう。

NO チョコ NO LIFE
です。

逆にポテチですか?あれはダメです。
よくこの体型のせいで勝手にスナック菓子好きなんだろ?的な事を言われます。
残念!それは全くの誤解です!

口の中が乾くスナック菓子なんか絶対買わないのさ!

ウェット、ウェットなモノが僕のお好み!

あれ、何の話だったっけか?

ああそうそうチョコでした。
そんなウェット菓子が好きな僕が唯一買ってまで食べるのがチョコなんです。

特にビターなチョコですね。
カカオ80%以上のやつとかすごくいいです。


えーもうお察しの事とは思いますが、はいそういう事です。
目前に迫った「あの日」
毎年無駄に期待だけはするんですけどね…けどね。


えー世の心優しき女性の皆様、恵まれないこの寂しき男に愛の手を!


小島啓寿 | 21:49 - -
結婚について考える
まだまだ冬真っ盛り!
昨日の雪が残って、本当に朝から寒い!

ですが、僕の周りでは最近春めいた話題に事欠きません。

身近な友人・知人が三組も結婚するんですよ。

身近な人のおめでたい話は本当に心温まります。

いやぁしかし結婚、憧れますね〜!

やっぱり幸せなイメージを抱いちゃいます。

もちろん現実的な事考えたら大変なんだろうなぁとも思いますけど。

経済的な事も僕らのような貧乏役者にとっては頭の痛いところ。

前に軍団の稽古場日誌のインタビューでも話したんですけど、僕は結婚について最近真剣に考えています。


もう三十歳ですし、親を安心させたいって気持ちもあります。
だからいつでも結婚できるように心の準備を整えておく、ようするにそのつもりで覚悟だけはしておくようにしています。

揺るぎない気持ちがあれば、困難も乗り越えられんじゃないかと。

「甘い!」と諸先輩から言われそうな感じですね。
でも今これが僕にできる精一杯。

何よりまず相手を探さなきゃ!

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こんな僕ですが、どなたか宜しくお願いします。
小島啓寿 | 23:04 - -
リスタート
いやぁこの一週間も寒い日が続きましたねぇ。
明日も雪がパラつくそうです。

もう寒い寒い言うのも飽き飽きです。
早く来い来い春一番!

さてさて今回よりついに色えんぴつが新展開を迎えます!

前回までが以前連載していた時のものだったのですが、今回からは完全な新作です!

二年振り?位でしょうかね。
展開的には構想はあったのですが、なかなかまとまらなかったものでこんなにあいてしまいました。
読んで頂いている方がどれほどいるのか分かりませんが、これからラストまできっちり書き上げる覚悟でいきますので宜しくお願いしますね!
小島啓寿 | 00:01 - -
色えんぴつ第八話
「予感」


草の香りが心地良く胸に広がった。
私は何故だか「懐かしい」気持ちを覚えた。
郷愁と言うのは、過去を失ったままの私にも感じることが出来るようだ。
不思議なものだ。

病院の裏手にあるこの丘。
柔らかな芝生の絨毯と季節の花々が疲れた心をそっと癒やしてくれる。

=美樹さんには感謝しなければいけないな=

外に出ることを私は最初躊躇った。
何故かは分からなかったけど、何か…そう私は恐かったのだと思う。

塗りつぶされた記憶を取り戻したい気持ち、それが「このまま消えてしまいたい」と言う気持ちに飲み込まれていく。


真実を知ることが恐いのだろうか?


はっきりとは分からないが、ただ外の世界に触れる事で何かが崩れるかもしれない気がしたのだと思う。

そんな私を、美樹さんは気分転換も必要だと連れ出してくれたのだ。


春の風は優しく出迎えてくれた。
頭の中どこを探しても思い出の欠片すら見つからないのに、懐かしさが心地良く響く。

閉じこもったままだった心が少しだけ和らいだ。


ふいに目の前を蝶々がヒラヒラと舞った。
何の気なしに目で追い顔を上げたその時、そこに人がいるのに気がついた。

大きな木を見上げ一人、何をしているのだろう?

しばらくすると鞄からノートのようなものを取り出して…あれはスケッチブックだろうか?
そこに何かを書き留めているようだ。


トクンと胸が鳴った。


何かが私に囁いた気がした。

知らず、私の足は歩みを始めていた。

その先にある確かな予感に向かって…

小島啓寿 | 23:45 - -
色えんぴつ第七話
「泥だらけのスケッチブック」


父が小さく見えた。

僕の記憶の中にある、あの大きな父の背中はもうそこにはなかった。

寂しさと共に、否応なく過ぎ去った五年という時の重さを感じた。

残酷なものだ。

ベッドの傍らには申し訳なさそうに丸椅子が一つ、恐らくは先程まで母が座っていたであろう、物言わず佇んでいた。
僕はその椅子に座り、そしてやはり母がそうしたように、その場所から父を眺めた。

背後にある少し大きめの窓から溢れる夕日が、真新しいシーツの上に僕の影を落とす。

この静寂を僕は持て余していた。

レースのカーテンは、降り注ぐ夕日を至極柔らかで優しい羽毛の手触りに変えるものなのだなと、何故かその時そう思った。

花瓶には花が活けてあったが、それが何の花かを瞬時に言い当てられる程、僕は紳士ではないようだ。
だがその脇にひっそりと、でも確かにある一冊のノートが、父の想いそのものなんだと言うことは僕にはすぐ理解できた。

父のスケッチブック…表紙には"Vol,37"と書かれていた。

よく見ると角の所が大きく折れ曲がった跡があった。
そして裏表紙には泥を拭った様子がはっきり見てとれる。

僕は無意識に泥の跡を指でなぞっていた。
こびりついた泥はなかなか落ちはしなか。

パラパラと無造作にページを捲ってみた。

懐かしい父の絵が、無言で何かを語りかけてくるようだった。

庭に咲いた朝顔の花、近所の古びた神社の大鳥居、河辺で遊ぶ子供たち…何でもない至極ありふれた日常の風景たちがそこに生き生きと描き出されていた。

これを見れば父が絵を、そしてこの町を愛しているのだと言うことを、僕じゃなくても理解できるだろう。


半分程捲った所にその絵はあった。
描きかけのままにされた櫻の木…所々線がぶれている。
きっと父は倒れ込むその瞬間までペンを放さなかったのだろう、そういう人だ。

「…ユウか?」


掠れるような声が申し訳なさそうにこの静寂を破った。
それでも僕にとっては天変地異が起こったかのようだった。
手にしていたスケッチブックがパサリと音を立てて落ちた。
すぐには言葉が浮かばなかった。
小島啓寿 | 06:34 - -
勘違いしないで
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寒!
雪です!
朝目が覚めると一面銀世界…と言うにはちょっと足りない位の、実に中途半端な積もり具合の今日のスタート。
降るならもっとガッツリ降って、交通網が麻痺するくらいに積もり積もってもらいたいもんです。
その方がワクワクするってものです。

これじゃあ靴が濡れただけで損バカリデスヨ!


雪が降るぞって時、決まって言われる事があります。


「小島君ちの方はすごいんでしょ?雪」

イヤイヤ、どんなイメージですか!


僕んちはそこまで田舎じゃないし、むしろ東京より暖かい位です。

皆さん、神奈川県より東京のが寒いんですよ。
そりゃ畑とか田んぼは多いですけどね。
さてこの一週間はと言えば、僕は客演の稽古稽古の毎日。
シチュエーションコメディと言う慣れないジャンルの芝居に四苦八苦しておりますが、面白い作品になりそうです。

そちらの方も是非是非宜しくお願いします。

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あっこれは友達から送られてきたものです。
「神の手雲」っていう珍しい気象現象だそうで、幸せになって欲しい人に送ると願いが叶うそうです。
皆様のご多幸をお祈りしてアップしま〜す☆
小島啓寿 | 22:36 - -
もう始まってます!
URASUJIが終わって早一週間。
毎日寒さが厳しいですが、風邪すらひいてる暇もなく次なる客演の稽古に入ってる今日この頃、皆さんどうおすごしですか?

今日は成人の日ってことで、街中では晴れ着の女子がチラホラ。
やっぱ着物姿の子はええなぁ!などと、もはやオッサンみたいなことがポロリと出てしまうお年頃の僕ですが、十年前のあの日はまだまだフレッシュな若者だったんですよ。

昨日のミチルも書いてましたけど、僕らの成人式は関東では記録的な大雪!
雪を掻き分け公民館まで行きましたよ。
懐かしい顔が並ぶ中、中学生の時好きだったあの子を見つけて一人ドキドキしてたり。
今思えば懐かしい心のアルバムの1ページです。


それから十年。
僕は今も芝居をしています。


成人を迎えたばかりの僕が想像していたのは、果たして今のこの姿なのか…まあそんな事もう覚えてませんけど。

ただ今思うのは、成人を迎えた若者達に良い背中を見せられるような人間でありたいと。

自分が「大人」だと言い切る自信はありませんけど、十年後の自分が本当の意味で「大人」になっていたいなぁと、そんなふうに思っています。

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30歳の俺。
小島啓寿 | 22:05 - -
色えんぴつ第六話
「背中」


夕日が目に沁みた。
どこまでも澄んだその色は、僕の頬を茜色に染めた。
いつかの場所で...僕は一人、ただ流れ往く時に身を任せるだけだった。
朧な雲が、西向きの風に乗り...そして消えた。

電車を降りると、僕は一目散に父が担ぎこまれた病院へと向かった。
5年振りに訪れた故郷の空気は、何事も無かったように僕を受け入れてくれた。
何も無い小さな街。
変わったことといえば、近隣の町との合併で名ばかりの市になった事ぐらいで。

乗り込んだタクシーの車中で、僕は父の事を考えていた。
父は役場の出納課に勤めている。
勤労勤勉で厳しい人だった。
礼節を重んじ、ピンと一本芯が通ったような、言ってみれば古風な人。
煙草は吸わないし酒も嗜む程度、仕事が終われば真っ直ぐ家に帰ってくる、そんな人だ。

そんな父だったが、休日だけは少し違った。
僕を連れてよく出かけたものだった。
まあ目的は唯一の趣味であるスケッチだったのだが。
スケッチブック片手に歩く父の背中はどこかはしゃいでいるようで、目的の場所につくともう僕のことも忘れてスケッチに没頭する始末だ。
僕はいつもそんな父を横目で見ながら、一人で遊んでいた。

父の描く絵はそれほど上手くはなかったが、優しく暖かかった。
僕は父の絵が好きだった。
そんな父に影響されて、いつの頃か僕も自然に絵を描くようになった。

「他人様の迷惑になるような事をしてはいけない。この世の中は一人で生きていけるような甘い世界ではないのだから。それが人の道理なんだ。そしてその道理から外れない限り、お前の想うように自由に生きなさい。」

絵の勉強がしたいと言った時、僕は反対されると思っていた。
だが父はそう言って上京する僕を送り出してくれた。
あの時の父の背中が今も目に焼きついている。
...あれからもう5年。
僕はその間、一度もこの街に戻ってはいない。

父は相変わらず休日のスケッチを続けていたらしい。
その日も近所の河原でいつも通り絵を描いていた。
昼過ぎ、母が洗い物をしていた時連絡があった。
病院からだった。
父は胸を押さえ蹲って倒れていた。
散歩をしていた近所の御婆さんがそれを見つけ、慌てて救急車を呼んだそうだ。

「でね、その文房具屋のせがれがね、最近やってたドラマのね、えーとなんて言ったっけ?ああそうそう、新宿西口の女ってやつ。あれの脚本書いたって言うんだよ。いやーもううちのカミさんなんか最近その話ばっかりでね。昔は鼻ったれのクソ坊主だったんですよ、それが今や売れっ子の大先生だからね。世の中分かんないもんだわ。俺もいっちょ一旗揚げて...ああ、すみません。なんか私ばかり話しちゃって。」

「えっ?あっいや別に構いませんよ。」

「いやーそうですか、すみませんねえ。カミさんにもよく言われるんですよ、あんたは場の空気が読めないって。ははははは!」

本当にそうだなと思った。
ただこのお喋りな運転手のおかげで、少しばかり気が紛れたのは事実だった。

父が運ばれた総合病院は、小高い丘の上にある。
昔は小学校だったのだが、昨今の少子化の影響で廃校になり、今の姿になったのは三年前の事だ。

自動ドアが開くと病院特有の消毒の匂いがした。
受付で聞くと病室は二階だったので、僕は階段で行くことにした。
病院というのは暗くじめっとしたイメージがあり、僕は好きではない。
でもここは明るくて開放的なところだ。
最近の病院は、みなこんな感じなのだろうか?

216
木村 和行様

入り口の前で深呼吸を一つ。中へ入ると...夕日が部屋を染めていた。
綺麗だった。


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